【9月4日 CGTN Japanese】中国江蘇省(Jiangsu)の南京医科大学付属泰州人民病院はこのほど、50歳前後の重度の貧血の女性を診察し、血液型と血液型抗体検査を行ったところ、RhD陰性で、しかもRhC、Rhc、RhE、Rheも陰性(RhNULL)であり、非常に珍しい「黄金の血」であることが分かりました。

 国際輸血学会(ISBT)では人の血液型を人為的にABO血液型システム、Rh血液型システムに分類します。一般の人はRh陽性で、Rh陰性の人はわずか1%で極めて珍しいため、俗にパンダ血と呼ばれています。今回の江蘇省の患者はRhD陰性であり、ABO血液型はO型で、赤血球の表面には一切の血液型抗原がなく、パンダ血よりもさらに珍しいことから、「黄金の血」と呼ばれます。

 現在、中国にはこの血液型の人は極めてまれで、人口600万人に1人しかいません。1960年に発見されて以来、この血液型を持つ人は世界でも50人未満です。

 もし患者が献血を希望するなら、その「黄金の血」は「万能の血」になります。というのは、彼女の血液には抗体がないため、すべての虚血性疾患の患者に輸血することができます。一方で、この血液型の患者が輸血を受ける場合は非常に条件が厳しく、自分と同じ血液型の血液しか受け入れられません。仮に輸血が必要になった場合は海外の献血者に助けを求めなければならないこともあります。幸いにも江蘇省のこの患者は、姉も同じ血液型です。

 病院で血液検査を行ったところ、彼女のヘモグロビンは1リットル当たり59グラムで、重度の貧血でした。病院はホルモン療法を行って抗原抗体反応を抑えましたが、幸い彼女は大量に出血することはありませんでした。現在、彼女は既に退院しており、担当医は定期的に健康診断を受けて貧血の状況を調べ、早めに措置を施すよう、患者に促しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News