【8月27日 AFP】米ニューヨークの国連(UN)本部で開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は26日、ロシアの反対を受け、最終文書案を採択できず決裂した。前回の2015年に続く決裂となった。

 NPT再検討会議は5年に一度行われ、核兵器の不拡散や核軍縮、核エネルギーの平和利用における協力などの推進を目的としている。

 今回の会議は8月1日に始まり、条約を締約している191の国と地域が1か月近くにわたり協議を続けてきた。最終日の協議は数時間延長された。

 最後にグスタボ・スラウビネン(Gustavo Zlauvinen)議長(アルゼンチン)は、30ページにわたる最終文書案について、ロシアが内容に異議を唱えたため、「採択できる状況にない」と述べた。

 ロシア代表団のイーゴリ・ビシネフスキー(Igor Vishnevetsky)氏は、最終文書案には「バランス」が欠けていると主張。さらに、ロシアは一部の項目に「露骨な政治要素」が含まれていることに強く反対するとして、この点に異議があるのはロシアだけではないと補足した。

 交渉関係筋によると、ロシアが反対したのは、占領下に置いているウクライナ南東部のザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所に関する記述とみられている。

 最終文書案は、ウクライナの原発周辺での軍事活動や、ウクライナが原発の支配権を失い、安全性に悪影響が出ることに「深刻な懸念」を表明していた。(c)AFP