【8月13日 AFP】米西部ユタ州の砂漠で、氷河期の狩猟採集民のものとみられる足跡が「偶然」発見された。1万2000年以上前の足跡は、北米大陸に渡って間もない頃の人類について新たな光を投げ掛けそうだ。

 足跡が発見されたのはユタ州の干上がった川底だ。

 米極西部考古学研究グループ(Far Western Anthropological Research Group)のダロン・デューク(Daron Duke)氏と、コーネル大学(Cornell University)のトーマス・アーバン(Thomas Urban)氏は、先住民ショショーニ(Shoshone)が先史時代に残したたき火の痕跡を探すため、ユタ州のヒル空軍基地(Hill Air Force Base)内を車で移動していた。

 2人はたまたま車の外を見た。

「『足跡はどのように残るのだろうか』と話していたのです」とデューク氏。「すると彼(アーバン氏)が、『窓の外の、あのような感じじゃないか』と言ったのです」

 2人が発見したのは、はっきりと分かる大人と子どもの足跡で、計88個あった。

 デューク氏は「人間のはだしの足跡でした。(中略)浅瀬の泥の層を歩いたようで(中略)足を引き上げたところに砂が入り込み、完全な形で残ったのです」と説明した。

 先住民ショショーニは、約1万3000年前からこの地域に住み続けているとされ、これまでに石器やたばこを使っていた証拠、鳥の骨、たき火の跡などが見つかっている。(c)AFP/Huw GRIFFITH