【8月9日 AFP】イランの衛星「ハイヤーム(Khayyam)」が9日、ロシアのロケットに搭載され、同国がカザフスタンで運営するバイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)から打ち上げられて軌道に到達した。

 この衛星をめぐっては、ウクライナに侵攻するロシアが軍事的な標的の偵察活動に利用する可能性が取り沙汰されている。

 ロシアの宇宙開発企業ロスコスモス(Roscosmos)のユーリー・ボリソフ(Yury Borisov)最高経営責任者(CEO)は、「ロシアとイランの協力関係における画期的な出来事であり、さらに大きな新プロジェクトの実施に道を開くものだ」と述べた。

 ロケットの打ち上げを見守ったイランのイザ・ザレプール(Issa Zarepour)通信情報技術相は、同衛星の打ち上げを「歴史的であり、宇宙分野における両国の新たな交流の始まりとなる転換点だ」と評価した。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は先週、匿名の西側情報当局者の話として、ロシアが同衛星を「数か月、またはさらに長期間使用する計画を進めている」と報じていた。

 イラン宇宙機関(ISA)は衛星の打ち上げ直後、ISAの地上基地が「最初の遠隔測定データ」を受信したと明らかにした。ISAは7日、衛星は初日からイランが管理し、データは暗号化されているため、第三国は衛星から送信された情報にアクセスできないと強調した。

 その上でISAは、衛星は国境のモニターや農業生産性の向上、水資源や自然災害の監視活動に使われると説明した。(c)AFP