■「学ぶことをやめてはいけない」

 だが、こうした穏やかな心と目的意識を最初から持っていたわけではない。

 10代の頃は地元サッカーチームのFCズブロヨフカ・ブルノ(FC Zbrojovka Brno)のフーリガン集団「ウルトラス」に入り、ライバルチームのファンと100回以上のストリートファイトに明け暮れた。「当時はあれが自分の人生の一部で、あの時期がなければ今の自分はない」。「今の自分になるには、ああいう男である必要があった」と振り返る。

 その後、17歳のときに地元のジムでムエタイに出会い、合法的に戦えるようになった。19歳で国内タイトルを獲得すると、世界中で人気が高まり始めていた総合格闘技に転向。才能を見込まれて日本の「RIZIN」に参戦し、コーチから武蔵と武士道の歴史について学ぶよう助言された。

 日本で勝ち始めると人生は一変し、RIZINで王座を獲得した後の2020年にはUFCから声がかかった。そして2戦連続KO勝ちを収めてタイトルへの挑戦権を獲得すると、6月の「UFC275」で42歳のテイシェイラを破ってベルトをつかんだ。

 この試合で拳を骨折したプロハースカは今、コテージで傷を癒やしながら今後のキャリアの段階や、テイシェイラとの再戦の可能性について考えている。

「自分はまだ前進している」とプロハースカ。「生きていれば誰にでも、それぞれの形で戦わなくてはならないときがある。だから自分は今も学んでいるし、学ぶことをやめてはいけないのだと思う」と語った。(c)AFP/Mathew SCOTT