【8月4日 AFP】ロシア国営天然ガス企業ガスプロム(Gazprom)は3日、欧州に天然ガスを供給するパイプライン「ノルドストリーム1(Nord Stream 1)」用のタービンについて、対ロシア制裁のためドイツからの納入が「不可能となっている」と主張した。

 ガスプロムは「カナダと欧州連合(EU)、英国による制裁に加え、(タービンを製造した)独シーメンス(Siemens)との契約義務関連の問題のため、タービンの納入が不可能となっている」と説明した。

 欧州諸国は、ロシアはタービンの受け取りを遅らせ、欧州へのガス供給をさらに減らすための口実にしようとしているのではないかと疑っている。

 アナレーナ・ベーアボック(Annalena Baerbock)独外相は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が「駆け引き」を仕掛けてきているが、西側諸国が分断されることは「あり得ない」と述べた。

 さらに「ロシアの安価なガスに依存しすぎたのは間違いだった」と認め、ドイツのエネルギー政策を刷新し、ロシア産ガスの利用を段階的に削減する必要があるとの認識を示した。

 オラフ・ショルツ(Olaf Scholz)独首相も同日、ロシアがタービンの受け取りを阻止し、欧州へのガス供給を絞っていると非難。一方で、原子力発電所の運転を継続する可能性に言及していた。(c)AFP