【8月1日 AFP】米国のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は1日、アジア歴訪を開始した。米中の緊張が高まる中、台湾訪問の可能性に注目が集まっているが、旅程の詳細は明かされていない。

 ペロシ氏は最初にシンガポールを訪問し、リー・シェンロン(Lee Hsien Loong)首相と会談した。シェンロン氏はペロシ氏に対し、米中関係の「安定」に努めるよう要請した。

 ペロシ氏は続いてマレーシア、韓国、日本を訪問する予定。

 同氏の訪台計画が報じられると、中国政府は激しい怒りを示した。米政権内にも憂慮する見方があり、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が事態の鎮静化を図っている。

 米報道では、数日前からペロシ氏の訪台をめぐる臆測が広がっていたが、同氏は旅程について明言を避けていた。7月31日、同氏の飛行機が離陸した後に、事務所がアジア歴訪を認める声明を出した。声明には台湾に関する記述はなかったが、米政府関係者の訪台は通常、到着まで公表されないことが多い。

 中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は8月1日、ペロシ氏が訪台すれば、台湾海峡(Taiwan Strait)の「平和と安定を深刻に脅かす」との見方を示し、「中国は自国の主権と領土の一体性を守るため、断固とした強い対抗措置を取る」と警告した。ただし、その具体的な内容には触れなかった。(c)AFP/Martin Abbugao, with Amber Wang in Taipei