【7月27日 AFP】欧州連合(EU)加盟各国が合意した天然ガス消費量の削減計画について、唯一反対していたハンガリーは26日、「強制できない」ものだと反発した。

 この計画はEU加盟27か国に対し、来月から来年3月までのガス消費量を、過去5年間の平均に比べて自主的に15%削減するよう求めるもので、加盟国の多数決で承認された。ロシアはさまざまな理由でEU諸国へのガス供給を停止または削減しており、欧州側はウクライナ侵攻をめぐる対ロシア制裁への報復だとみている。

 ブリュッセルを訪問しているハンガリーのシーヤールトー・ペーテル(Peter Szijjarto)外務貿易相は記者団に対し、「これは正当化できず、役に立たず、強制できず、有害な提案だ」と糾弾。「ハンガリー国民の利益を完全に無視している」と非難し、「ハンガリーにはガスがあるにもかかわらず、国民や企業が使えないのはなぜか、ブリュッセルの誰かがハンガリー人に説明してくれるのだろうか。まったくばかげた話だ」と切り捨てた。

 ロシア産の天然資源に大きく依存しているハンガリーは今月、エネルギー供給をめぐって「危機的な状況」にあると宣言。同国は現在、石油の65%、天然ガスの80%をロシアからの輸入に頼っている。

 シーヤールトー氏は先週モスクワを訪れ、天然ガス7億立方メートルの追加購入についてロシア側と協議していた。ハンガリーの天然ガスパイプライン運営企業FGSZによると、これは同国の2020年の天然ガス消費量の約6.7%に相当する。(c)AFP