【7月18日 AFP】イランの元外相で、同国指導部の諮問機関のトップを務めるカマル・ハラジ(Kamal Kharrazi)氏は17日、同国にとって核兵器の製造は「技術的に可能」だが、その決定は下されていないと語った。

 ハラジ氏はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al Jazeera)に対し、イランには「核爆弾を製造する技術的な能力がある」とする一方で、政府は「製造に向けた決定は下していない」と説明。

 また、「(イランの)機密施設が標的にされた場合」に備え、イスラエル国内を攻撃できるよう大規模な演習を実施したことも明らかにした。実施時期には言及しなかった。

 先週中東を歴訪したジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は14日、イスラエルのヤイル・ラピド(Yair Lapid)暫定首相と会談し、イランの核兵器保有阻止に向け、安全保障分野での協力関係を強化する「エルサレム宣言(Jerusalem Declaration)」に署名した。

 米国は宣言の中で「イランによる核兵器保有を決して許さない」と明言、そのためには「国力を総動員する用意がある」と表明した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権は2018年、イランの核開発計画を制限する代わりに制裁を解除する2015年の核合意を離脱し、制裁を再開。その結果、イランは核合意から逸脱した動きを取っている。

 一方でイランは、核合意の正常化を図ってきた。しかし今年3月以降、核合意再建交渉は暗礁に乗り上げている。

 交渉の期限について米国の方針を問われたバイデン氏は、「永久に待つつもりはない」と回答。

 これに対しイラン政府は17日、米政府は中東の緊張をあおっていると非難した。(c)AFP