【7月13日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は12日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)が撮影した一連の画像を公開した。「宇宙の崖」や、ダンスのように接近を繰り返す五つ子銀河など、はるか遠方にある天体がこれまでにない高精度で捉えられており、天文学は新時代を迎えた。

 NASAのビル・ネルソン(Bill Nelson)長官は「画像の一枚一枚に新たな発見がある」と説明。「それぞれの画像が、今まで見たことのない宇宙の景色を人類に見せてくれる」と述べた。

 NASAはこれに先立つ11日、130億年前の宇宙初期の姿をこれまでで最も鮮明に捉えたウェッブ望遠鏡撮影の画像を公開していた。

 12日に公開された画像には、地球から7600光年離れたイータカリーナ星雲(Carina Nebula)の星形成領域NGC 3324にある「山」や「谷」を捉えたものが含まれ、NASAはこれを「宇宙の崖」と呼んでいる。

 さらに、互いとの接近を繰り返す銀河4個を含む「ステファンの五つ子銀河(Stephan's Quintet)」もかつてない高精度で撮影された。宇宙の誕生直後に銀河がどのように形成されたかを知る手がかりとなる。

 南のリング星雲(Southern Ring Nebula)を捉えた別の画像では、中心部にある暗い恒星がちりに囲まれていることが初めて判明した。(c)AFP/Issam AHMED