【7月12日 AFP】ウクライナは11日、同国に侵攻したロシア軍が東部ドンバス(Donbas)地方の主要都市の制圧に向けて攻勢を強める準備をしていると警告した。同日には、北東部にある同国第2の都市ハルキウ(Kharkiv)が攻撃を受け、6人が死亡。前日に東部ドネツク(Donetsk)州チャソフヤル(Chasiv Yar)で行われた攻撃の死者は30人に増加した。

 ハルキウ州のオレグ・シネグボウ(Oleg Synyegubov)州知事によると、ロシア軍は商業施設と市民住宅を攻撃。インタファクス・ウクライナ(Interfax-Ukraine)通信は地元検察当局の話として、車で移動中だった17歳の少年とその父親を含む6人の市民が死亡したと伝えた。

 一方でロシア国営タス通信(TASS)は、ロシア軍の支配下にある同州の村で、親ロシア派の村長が車を爆破され、死亡したと報道。ロシアが運営する現地当局はウクライナ当局による「テロ攻撃」を主張していると報じた。

 ロシア軍が激しい攻勢をかけるドンバス地方では10日、チャソフヤルの集合住宅が攻撃を受け、救急当局によると30人が死亡。ロシア国防省のイーゴリ・コナシェンコフ(Igor Konashenkov)報道官は、同国軍がチャソフヤル周辺で行った攻撃でウクライナ兵「300人以上」を殺害したと発表した。攻撃実施日は明らかにしていない。

 ロシア軍は、長期にわたった戦闘の末、東部ルガンスク(Lugansk)州の一部地域を掌握。現在はドンバス地方全体の制圧を目指し、隣接するドネツク州への攻勢を強めている。

 ウクライナ軍は11日、ロシア軍が同地方での砲撃を続けているが、地上での攻撃はほぼ停止していると説明。だが、ロシア軍はドネツク州に対しこれまでで最も激しい攻勢を計画している可能性が高く、ウクライナの支配下にある同州クラマトルスク(Kramatorsk)とバフムート(Bakhmut)の2都市に向けて「戦闘作戦を強化する準備」をしていると警告した。(c)AFP