【7月6日 AFP】エウヘン・エルピティフォロフ(Yevgen Yelpitiforov)さん(37)は、ロシアのウクライナ侵攻により避難した友人宅を管理するため、家の鍵を預かっている。

 エルピティフォロフさんは鍵の山を手に「全部で19本ある」と話す。

 生物学者のエルピティフォロフさんは、庭師として生計を立てているが、今は「鍵の番人」としても活動している。

 過去数か月間、首都キーウをめぐる攻防で大きな被害を受けたブチャ(Bucha)やイルピン(Irpin)を回り、避難した住民の家と植物の世話をしている。

 泥棒よけのために家の電灯をともしたり、割れたガラスを片付けたりするほか、家の所有者が必要とする物を避難先に発送したり、庭を少し手入れしたりする。

 この活動が口づてに広まると、エルピティフォロフさんの元に鍵が集まってきた。「手紙で送られてくることもあれば、近所の人から引き取ったり、(隠し場所の)ドアマットの下から見つけ出したりすることもある」という。

 鍵は、お礼のコーヒーやチョコレートと共に届けられることも。善意でこうした活動をしているからだ。

 友人たちが家に戻ってくる際には、「喜ばせたくて」花束や果物などちょっとした贈り物を置いておくという。