【7月5日 AFP】英ロンドンのナショナルギャラリー(National Gallery)で4日、環境団体のメンバー2人が、英風景画の大家ジョン・コンスタブル(John Constable)の作品をポスターで覆った上で、額に手を接着する騒動が起きた。

 英国では、新規の化石燃料プロジェクトの停止を求める団体「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」が、美術館を利用した抗議行動を展開している。

 今回被害にあったのは、1821年制作の油絵「干し草の車(The Hay Wain)」。

 メンバー2人は、オリジナル版の田園風景が汚染された様子を描いた「再考版」で絵を覆った。再考版には山火事や飛行機も加えられていた。

 メンバーの一人、エベン・ラザルス(Eben Lazarus)さん(22)はギャラリーにいた50人余りの来館者に向かって、この絵は「われわれの重要な文化史と文化遺産の一部だ。しかし、気候変動によって既に危機に直面している350万人よりも重要ではない」と訴えた。

 2人に声援を送る人もいたが、警備員は来場者をギャラリーから追い出した。ロンドン市警察によると、通報を受け警官が現場に駆け付けた。

 ジャスト・ストップ・オイルは先週、ロンドンやグラスゴーでビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)やジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(J.M.W. Turner)の作品の額に手を接着する抗議を実行している。(c)AFP