【7月5日 AFP】イタリアは4日、北部のポー平原(Po Valley)でここ数週にわたって干ばつが深刻化しているのを受け、北部5州で非常事態宣言を発出し、緊急基金を創設したと発表した。

 政府発表によると、内閣は北部のエミリア・ロマーニャ(Emiglia-Romagna)、フリウリ・ベネチア・ジュリア(Friuli-Venezia Giulia)、ロンバルディア(Lombardy)、ピエモンテ(Piedmont)、ベネト(Veneto)の5州を対象に、12月31日までの非常事態宣言を承認した。また、干ばつの被災者向けに3650万ユーロ(約52億円)の支援基金を創設した。

 イタリアは、例年になく早い時期の熱波と降水不足に直面しており、特に農業地帯であるポー平原は過去70年間で最も深刻な干ばつに見舞われている。

 国内最大の農業組合「コルディレッティ(Coldiretti)」によると、全国の農業生産の30%以上と、パルマハムで知られるポー平原の農地の半分が干ばつの影響を受ける恐れがある。

 イタリアではここ数日、複数の都市が水利用を制限している。北部ベローナ(Verona)では飲料水の使用が制限されたほか、ミラノ(Milan)でも各所にある噴水の使用停止が発表された。(c)AFP