【6月24日 CNS】中国のSNSでは最近、「コロナ禍で旅客機に乗る人が少ないのに、国内航空券の価格が上がっている」という声が出ている。航空業界関係者は「5月5日以降、旅客機の燃油サーチャージが高くなったことが原因の1つ。また、財務部が航空会社に補助金を支出していることも影響がある」と説明する。

 民用航空局は5月16日、国内便を運行する航空会社に対する補助政策を発表。1日平均4500便のフライトを確保した上で、搭乗率が75%を切って赤字となった便について、財務省と自治体が1時間当たり最大2万4500元(約49万2979円)を補助する。適用期間は5月21日から7月20日まで。

 中国の航空業界はコロナ禍により4月に大きな打撃を受けた。フライトは1日平均2700便に減少。それでも大手3社の中国国際航空(Air China、エアチャイナ)、中国南方航空(China Southern Airlines)、中国東方航空(China Eastern Airline)の搭乗率は60%未満にとどまった。

 補助金の支給は以前の免税救済措置に比べて、航空会社は現金を直接手に入れて「一息つける」メリットがあり、乗客にとっても一定のフライト数が確保されているため移動がしやすくなる。また、旅客機の操縦士らスタッフの能力維持にもつながる。

 ただ逆に言えば、搭乗率が高いと補助金を受け取れない。業界関係者は「一部の航空会社の運賃は値上がりしている。結局、チケットを購入する人が少なく、損失は補助金でまかなわれている」と説明。実態に応じた補助金の適用が必要だと指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News