【6月21日 AFP】大阪地裁は20日、日本政府が同性婚を認めていないことは合憲との判決を下した。札幌地裁で昨年開かれた同様の裁判での判決とは逆の結果で、性的少数者の権利擁護活動家にとっては打撃となった。

 一連の訴訟は2020年、結婚の平等を求める同性カップル10組以上が日本各地の地方裁判所で一斉に起こしたもの。先進7か国(G7)で唯一同性婚を認めていない日本政府に圧力をかけることが目的とされる。このうち3組のカップルの主張が、大阪地裁によって退けられた。

 同地裁は、個人の尊厳の観点からは、同性カップルも公に認知されて共同生活を営むことで得られる利益を享受できる必要があるとしつつも、「どのような制度が適切であるかの国民的議論が尽くされていない」ため、同性婚を認めないことは違憲ではないとした。

 原告の一人で、米オレゴン州で米国人パートナーと結婚している坂田麻智(Sakata Machi)さんは、判決への「憤り」を表明。判決では「婚姻類似の制度」が創設されれば同性カップルも法的利益を得られるとも指摘されたが、坂田さんは、結婚の代わりになるものはないと訴えた。(c)AFP