【6月19日 AFP】サッカーの欧州選手権(UEFA Euro 2020)とアフリカネーションズカップ(2021 The Africa Cup of Nations)の準決勝、決勝に出場した選手の半数以上が、インターネット上の差別被害に遭っていたことが、18日に発表された国際サッカー連盟(FIFA)の調査で明らかになった。

 国連(UN)のヘイトスピーチと闘う国際デーに発表された独立報告書で、FIFAは、人工知能(AI)を使って両大会の準決勝、決勝でのSNS投稿40万件以上を追跡した結果、「選手の50パーセント以上が何らかの差別的中傷を受けた」と述べた。

 また、中傷の大半は選手の母国からのものだったと明かし、「同性愛嫌悪(40パーセント)と人種差別(38パーセント)が過半数を占めた」と発表した。

 カタールW杯(2022 World Cup)が5か月後に行われる中、FIFAは国際プロサッカー選手会(FIFPro)と共同で、SNSでの暴言から選手を守るプランを実行していくと話した。具体的には、特定のSNSアカウントに向けてヘイトスピーチにあたる言葉が使われていないかを検索し、見つかった場合はそのコメントをアカウントの持ち主とフォロワーから見えなくする。

 FIFAのジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は「サッカーを守ることがわれわれの任務で、その第一歩は選手からだ」とし、SNS上での差別的投稿は「サッカー界では全く容認できない」と非難した。(c)AFP