【6月16日 AFP】子どもの権利保護を訴えるNGOセーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)は15日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に厳しい封鎖措置を取ってから今月で15年となるのに合わせて報告書を公表し、ガザの子どもたちの8割がうつや不安といった症状に悩まされていると明らかにした。

 イスラエルは2007年6月、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)がガザ地区を実効支配したことを受けて同地区を封鎖。イスラエルとエジプトが、今も人と物の出入りを厳しく制限している。

 報告書によると、子どもたちのメンタルヘルスは悪化の一途をたどっており、「うつ、悲嘆、不安」の症状を訴える子どもが2018年の55%から今では80%に増加したという。

 セーブ・ザ・チルドレンでパレスチナ担当のジェイソン・リー(Jason Lee)氏は「報告書を取りまとめるに当たって聞き取りを行った子どもたちは、慢性的に不安、心配、悲嘆を抱えた状態で生活していると訴え、次に起こる暴力行為におびえ、眠れない、集中できないと感じている。夜尿症や発話障害、または基本的な作業が十分にできないなど、精神的苦痛が身体にも表れている様子は衝撃的であり、国際社会への警鐘と受け止められてしかるべきだ」と述べている。

 ガザの人口210万人のうち、ほぼ半数が未成年者で、同NGOは「封鎖状態ではない生活を全く知らない」子どもが約80万人に上るとしている。