【5月30日 AFP】中東エルサレムで29日、ユダヤ人の民族主義者ら約7万人がイスラエル国旗を掲げて旧市街(Old City)を行進した。参加者の一部は「アラブ人に死を」と叫びながら歩き、パレスチナ人住民は建物の上から物を投げるなどして反発した。

 この日は、1967年にイスラエルが東エルサレム(East Jerusalem)を占領した記念日で、右派が毎年デモ行進を行い、パレスチナ人の怒りを買っている。昨年はこの行進がきっかけで、イスラエル軍とパレスチナのイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)との軍事衝突が起きた。

 ヤイル・ラピド(Yair Lapid)外相は、アラブ系住民を挑発した極右ユダヤ人グループを「恥だ」「イスラエル国旗を持つに値しない」と非難。ナフタリ・ベネット(Naftali Bennett)首相も、緊張状態をあおろうと画策したユダヤ人過激派を「容赦なく」取り締まるよう警察に命じた。

 エルサレムには警官3000人以上が配備され、治安を乱したとして60人余りが逮捕された。赤新月社(Red Crescent)によると、旧市街とその周辺でパレスチナ人79人が負傷した。

 東エルサレムやパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)では、パレスチナ人が旗を掲げたり対抗デモを行ったりして、治安部隊と衝突。旧市街の門の上空をパレスチナの旗を付けて飛行するドローンを警察が撃ち落とす一幕もあった。(c)AFP/Guillaume Lavallee and Ben Simon