■「天井のない監獄」

 イスラエルはこの封鎖について、多くの欧米諸国がテロ組織に指定しているハマスから自国民を守るために必要な措置だと主張。イスラエルは2007年以降、ハマスと4回交戦しており、直近では2021年5月にも軍事衝突が起きている。

 イスラエルはここ1年、同国内でより良い報酬が得られる仕事を求めるガザ住民に対して以前よりも多くの労働許可を出したほか、ガザ内外の物流制限の一部を緩和した。それでも、封鎖自体は大きな変化なく続いている。

 封鎖15年に合わせて声明を出した国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、「イスラエルはガザを天井のない監獄に変えてしまった」と指摘した。

 HRWでイスラエル・パレスチナ代表を務めるオマル・シャーキル(Omar Shakir)氏はAFPに対し、「(封鎖の)打撃をまともに受けるのは、封鎖前のガザを知らない子どもたちだ。領土を長さ40キロ、幅11キロの細長い土地に強制的に狭められ、世界と交流し関わっていく機会を奪われている」と述べた。(c)AFP