【6月14日 CNS】北京で暮らす42歳の女性・羅さんは師範大学短期学部を卒業後、民間の絵画教室で美術講師をしていた。現在はベビーシッターとして働き、月給は2万元(約40万円)を得ている。小学校で音楽教師をしていた45歳の女性・姜さんも娘の留学費用を稼ぐためベビーシッターに転職し、月給は以前の4倍になった。

 北京市のホワイトカラー層の平均月収は、2021年で1万3152元(約26万1299円)。2人の収入はそれを上回っている。家事手伝い業プラットフォーム「58到家(58 home)」スタッフの趙旭(Zhao Xu)さんは「羅さんは専門知識が豊富で、親や子どもの世話で十数年のキャリアがある。姜さんは自分の娘を立派に育てたことが、多くの雇用主から評価されている」と説明する。いま中国の大都市では、多くの家事手伝い従事者がサラリーマン以上の収入を手にしている。

 中国で家事手伝いをする女性は「阿姨(おばさん)と呼ばれ、地方から出稼ぎに来た女性が単純な家事労働をするというのが従来のイメージだ。しかし近年は子どもの早期教育から高齢者の在宅介護、ハイテク家庭機器の操作まで、さまざまなニーズに対応するハイレベルな家事手伝いの人材が求められ、それに伴い報酬も増えている。

 中国で都市部に住む住民は2021年で全人口の64.7%に達した。また、一つの家庭で3人まで子どもの出産を認める「三人っ子政策」も始まり、都会で家事手伝いの需要は増え続ける見込みだ。一方で、家事手伝い従事者の90%は今も地方からの出稼ぎ者で、高校教育を受けている割合は14%にとどまる。

「インテリ家事手伝い」の人材を育成するため中国政府は2019年、大学や短大などに家政学専攻コースの新設を奨励。各地で専攻コースが誕生し、進学希望者も増えている。家事手伝い業プラットフォーム「阿姨来了(Ailaile)」の周袁紅(Zhou Yuanhong)CEOは「今後1〜2年で、高学歴の家事手伝い人材がさらに増える」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News