【6月13日 People’s Daily】鉱山労働者は、かつては、何百メートルもの地下に潜り、作業負担が重く、労働条件が厳しいだけでなく、浸水などの危険も伴っていたが、現在では、ボタンとコマンドで遠隔操作作業が可能になっている。このような変化の背景には、中国におけるスマート鉱山建設の急速な進歩がある。先日行われた中国応急管理部の定例記者会見で、国家鉱山安全監察局安全基礎司の孫慶国(Sun Qingguo)司長は、スマート鉱山建設の最新の進捗(しんちょく)状況を紹介した。

 全国のスマート採掘作業場所の数は急速に増えている。現在、その数は813か所に達し、2020年比で65%増となっている。そのうち、採炭作業場所は同43%増の477か所で、掘削作業場所は同109%増の336か所だ。これまで29種の炭鉱ロボットが370か所以上の鉱坑現場で使用されている。

 イノベーションの取り組みが進んでいる。中国初の全断面矩形(くけい)スマート掘進機の開発の成功、先進的な10メートル採掘高スマート油圧シールドの自主開発、坑内の地下水の探査と排出の知能操作システムの相次ぐ利用、露天掘り炭鉱自動運転車の146台の保有など、多くのスマート鉱山技術が、新たな進展を遂げた。

 政策的支援はより完備されてきている。国家鉱山安全監察局は関連部門と連携し、「炭鉱スマート建設ガイドライン(2021年版)」と「『十四・五』ロボット産業発展計画」などの政策を発表し、より多くのスマート炭鉱建設を推進している。山西省(Shanxi)、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)、山東省(Shandong)、河南省(Henan)、陝西省(Shaanxi)などの14省も、スマート鉱山建設に政策、資金、プロジェクトの支援を行う文書を相次いで発表した。

 標準は日増しに改善されている。現在、国家鉱山安全監察局はスマート制御システム、生産支援システムと他の92関連の標準の制定推進や、全国ビーコン委員会ビッグデータ標準作業チームの鉱山業界チームの設立、「スマート鉱山データ融合共有規範」の編成などを通じて、スマート鉱山標準体系をさらに改善した。

 また、規制もより効率化されている。「われわれは情報化建設を強力に推進し、全国の正常生産・建設中の2611の炭鉱をすべて炭鉱安全リスク監視・警報システムに接続し、炭鉱安全リスク監視・感知のデータの「一つのネットワーク」の完全カバーを達成した」と、国家鉱山安全監察局法規科学技術司の王端武(Wang Duanwu)司長は述べた。

 実践から見る、スマート鉱山建設を推進することで、鉱業分野における安全生産水準や供給確保能力の向上に効果的に役立っている。「今年1月から2月にかけて、全国の鉱山事故は46.8%減少した。2021年の鉱山事故件数と死者数は、前年同期比でそれぞれ16%と12.7%減少し、炭鉱における生産量100万トン当たりの死亡率は、過去最低を更新した。特筆すべきは、全国の石炭の生産量が同5.7%増となり、増産を達成したことだ」と、国家鉱山安全監察局の張昕(Zhang Xin)副局長は述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News