【6月12日 AFP】ロシア軍の占領下にあるウクライナ南部ヘルソン(Kherson)で11日、地元住民23人に初めてロシアのパスポート(旅券)が交付された。ロシア国営タス(TASS)通信が伝えた。

 パスポートは、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が5月に署名した大統領令に基づく「簡素化された手続き」によって発行され、式典で住民に手渡された。

 ロシアが「ヘルソン州知事」に任命したウラジーミル・サリド(Vladimir Saldo)氏は、「住民はみな、できるだけ早くパスポートと(ロシアの)市民権を取得したがっている」と述べたとタス通信は伝えている。

 また、ロシア通信(RIA)によるとサリド氏は、「新しい時代の始まりだ」「これは、個人が人生で所有できる最も重要な文書だ」とも語った。

 ヘルソンの親ロシア派当局によると、交付日は、ロシアが国家主権宣言を採択し旧ソビエト連邦から「独立」したことを記念する祝日「ロシアの日」に当たる12日を念頭に決めた。

 ウクライナ政府は、ロシアによる占領地でのパスポート発行は「目に余る侵害だ」と非難し、プーチン氏の大統領令は「法的に無効」だと訴えた。(c)AFP