【6月11日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は10日、激戦が繰り広げられている東部・南部でロシア軍の攻勢を食い止めるためにウクライナ軍が「あらゆる手を尽くしている」として、世界が目をそらすようなことがあってはならないと訴えた。

 ウクライナ政府は同日、南部ヘルソン(Kherson)州のロシア軍の拠点を空爆したと明らかにした。ヘルソン州は2014年にロシアに併合されたクリミア(Crimean)半島の北に位置し、2月の侵攻開始直後に制圧された。

 一方でゼレンスキー氏は、ロシア軍が戦力を集中させている東部ドンバス(Donbas)地方、特に要衝セベロドネツク(Severodonetsk)周辺で「非常に厳しい戦い」が続いていると述べた。

「以前からパートナー国に要請し続けている重火器や最新兵器が許す限り」、ウクライナ軍はロシア軍の攻勢を食い止めるために「あらゆる手を尽くしている」として、「世界が(ウクライナの)戦場で起きていることから目をそらすようなことがあってはならない」と訴えた。

 南部の前線に近いミコライウ(Mykolaiv)州では、ビタリー・キム(Vitaly Kim)知事が世界各国からの軍事支援を至急必要としていると訴えた。

「ロシア軍は戦力で(ウクライナ軍を)上回っており、火砲と弾薬の数も多い。現時点では砲撃戦となっているが、わが軍は弾切れになりつつある」と主張。「欧米からの支援は極めて重要だ。われわれの国を守るには弾薬が必要なのだから」と述べた。(c)AFP/Blaise GAUQUELIN