【6月11日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は10日、動物由来の感染症「サル痘」について、現在確認されている感染例は必ずしも一般的な症状を呈しておらず、診断が困難になっていると明らかにした。CDCは、サル痘の感染拡大防止には感染者の特定が不可欠だと強調している。

 CDCのロシェル・ワレンスキ(Rochelle Walensky)所長は「確認されているサル痘の症状は軽度で、体の限られた部位にしか症状が出ないこともある。サル痘が風土病となっているアフリカ西部・中部の国々で見られる一般的な症状とは異なる」と指摘した。

 続けて「このため、一部の症例が確認・診断できないことが懸念される」として医療従事者と一般市民に警戒を呼び掛けた。

 サル痘に感染すると発熱、悪寒、筋肉痛、リンパ節の腫れなどのインフルエンザのような症状が出た後、全身に水痘のような発疹が現れることが多い。しかし、現在確認されている感染例では必ずしも症状が出ておらず、発疹も体の限られた部位にしか現れないことが多い。

 ワレンスキ氏は「サル痘は(ヘルペスなどの)いくつかの性感染症と似た症状を呈することがあると認識するのが重要だ」として誤診に注意を呼び掛けた。

 ワレンスキ氏によると、米国のサル痘感染者は先週から倍増して45人となった。死者は確認されていない。世界では9日時点で約1300人の感染者が確認されている。(c)AFP