【6月10日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は9日、新型コロナウイルスの感染を完全に抑え込む「ゼロコロナ」政策について、「確固として」継続しなければならないと表明した。人口2500万人の上海では11日から、住民の半数以上を対象とした大規模検査が行われる。

 中国は、ゼロコロナ政策を掲げる最後の経済大国。新型コロナ根絶を目指し、外出制限や大規模検査、強制隔離を行っている。

 感染力の強い変異株「オミクロン株」の流行で、上海や北京といった主要都市では広範な対策を実施。だが、経済が打撃を受け、ゼロコロナ政策に厳しい視線が注がれている。

 中国指導部は、新型コロナ対策を実施しながら、外出制限による影響を最小限にとどめようとしている。習氏は9日、「新型コロナの予防・制御と、経済・社会の発展を効率的に一致させる」よう呼び掛けた。

 だが、国営新華社(Xinhua)通信は、「ダイナミックなゼロコロナ政策を、確固として存続しなければならない」とも語ったと伝えている。

 専門家は、外出制限とサプライチェーン(供給網)混乱の影響で、5.5%前後としている2022年の経済成長率目標の達成は難しいと予測している。

 上海は、11日から住民の半数以上を対象とした大規模検査を行うとしている。食料不足や散発的な抗議活動が起こった前回の外出制限の段階的緩和から2週間もたっておらず、今も数十万人が外出を制限されている。

 国家衛生健康委員会(NHC)によると、10日には新たに73人の市中感染が確認された。うち8人は北京、11人は上海だった。(c)AFP