【5月17日 AFP】中国の北京大学(Peking University)で15日、学生数百人が、キャンパス内で導入された厳格な新型コロナウイルス対策に抗議した。コロナ対策をめぐり、市民の怒りが高まっているが、こうした抗議活動が行われるのはまれ。

 中国は厳しいゼロコロナ政策を掲げる唯一の主要国。北京でのここ数週間の感染者数は1000人を超えている。大半のレストランや公共施設が閉鎖され、毎日数百万人を対象に検査が行われている。在宅勤務も求められている。

 北京大学が先週末、フードデリバリーの利用禁止を含む新たな厳格な移動制限を導入しようとしたことで、学生たちの怒りが頂点に達した。

 学生の移動はすでにキャンパスの一部のみに制限されており、来客対応も禁止され、検査も毎日行われている。

 匿名でAFPの取材に応じた学生らによると、万柳(Wanliu)キャンパスで15日、寮の外に学生少なくとも300人が集まった。

 学生の一人は「夜にキャンパスの周りにフェンスが設置されたので、みんな激怒し抗議に行った」と述べ、コロナ対策が全員の日常を完全に破壊したと訴えた。

 また、教職員と学生の居住地はフェンスで仕切られており、教職員には学生ほど厳格な制限は課されていないという。仕切りのフェンスは学生たちに破壊された。

 AFPが検証済みの映像には、マスク姿の学生数百人が屋外に集まり、職員を問い詰める様子が捉えられていた。

 デモ参加者が提供した映像によると、張平文(Chen Baojian)副学長がメガホン越しに学生を説得し、おとなしく寮に戻るよう呼びかけた。

 大学側は後に、移動制限とフードデリバリー禁止を緩和する方針を示した。

 北京大学はAFPに対し、抗議ではなく「学生が要望を示しただけ」だと説明した。(c)AFP