【6月3日 AFP】国連(UN)は、ロシアによるウクライナ侵攻開始から100日となった3日に声明を出し、これは勝者なき戦争だと指弾するとともに、即時終結を呼び掛けた。

 国連のウクライナ危機調整官を務めるアミン・アワド(Amin Awad)事務次長はこの声明で、「この戦争には、これまでもこれからも勝者はいない。むしろわれわれが100日間にわたって目にしてきたのは、人々の命や家、職、未来が失われる様子だ」と述べた。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は前日2日、ロシア軍はクリミア(Crimea)半島と東部ドンバス(Donbas)地方の一部を含め、国土の約5分の1を掌握していると明らかにしていた。

 アワド氏は「この戦争は、許されない規模の損害を人々に与え、市民生活のほぼ全ての側面をのみ込んだ。3か月余りで、1400万人近いウクライナ人が自宅からの避難を余儀なくされ、その大多数が女性と子どもだった」と指摘した。

 同氏はまた、国連が「食糧安保への壊滅的な影響」を軽減するために対応を進めていると表明した。

 穀物価格はウクライナからの輸出急減により高騰し、ウクライナ侵攻と気候変動の影響を深刻化させ、社会不安が生じる懸念も広がっている。

 国連は「われわれには平和が必要だ。戦争は今すぐ終結させなければならない」と訴えた。(c)AFP