【6月5日 AFP】ウクライナの首都キーウ近郊の湖で、夏を前に不発弾の撤去作業が急ピッチで進められた。

 ロシアによる侵攻前は釣りやピクニックを楽しむ人々でにぎわっていたホレンカ(Horenka)湖。探索用のボート2隻が湖面を行き来し、ダイバーと水陸両用ドローンも投入された。

 チームは、作業期間が終わる数日前の2日間で10発の不発弾を発見した。2月24日にロシア軍が開始した侵攻の初期、この一帯は最前線となっていた。

 当局の爆発物専門家はAFPに対し、落ちたのが水面だったためか、どれも爆発していなかったと述べた。

 不発弾は約20キロ離れた無人地帯にトラックで慎重に運ばれ、そこで爆発処理された。

 撤去作業は時間との闘いだ。作業員の一人は、水深6.5メートルで見つかったロケット弾の動画を見せながら、「1、2か月たてば泥に埋もれて見つけられなくなってしまう。だから急ぐ必要がある」と語った。

 急ぐ理由には、夏が近づいていることもあった。当局によれば、危険だと警告しているにもかかわらず、レジャー客が「ダイビングを始めてしまう恐れがある」からだという。ロシア軍がキーウのある西部から東部に戦力を集中させる作戦に軸足を移せば、湖を訪問する人はいっそう増えそうだ。

 もう一つの懸念事項は釣り人だ。「釣り糸なら問題ないが、(不発弾が)網にかかる可能性がある」。水陸両用ドローンを2機投入しているが、湖全体をカバーすることは不可能だと当局者は述べた。(c)AFP