【5月31日 AFP】米大リーグ(MLB)、サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)のゲーブ・キャプラー(Gabe Kapler)監督は30日、戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー、Memorial Day)を理由に、銃による暴力が続く現状への抗議を一時撤回し、試合前の国歌演奏時にフィールド上で起立した。

 テキサス州ユバルディ(Uvalde)の小学校で児童19人と教員2人が死亡した前週の銃乱射事件を受けて、キャプラー監督は27日、国歌演奏の際にはフィールドに出ない意向を示していた。

 しかし、かつて指揮を執っていたフィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)と対戦するこの日がメモリアルデーであることから、例外として「きょうは国歌演奏で起立するつもりだ」と自身のブログに書き込んだ。

「私は抗議する権利と抗議する大切さについて強く信じていると同時に、そうした権利のために戦って命を落としたわが国の軍人を敬い、追悼することも強く信じている」

「この国の軍隊で働く人々、とりわけ私たちの権利と自由のために最大の犠牲を払った人々は、感謝と敬意に値する。私は自分の気持ちを表すべく、きょう一列に並んで起立することを誇りに思う」

 キャプラー監督は先日ブログで、「わが国の方向が改善されたと感じるまで」国歌演奏時にはクラブハウスにとどまると表明。スポーツは「世界の恐怖」から一時的に逃れるための時間を提供するものであると大勢が望んでいる中で、自身の決断は意見を二分するだろうとの認識を示していた。

 その一方で「しかし、この国の現状には疑問だ」とし、「私が父から学んだのは、自分の国に不満があるときは、抗議してそれを知らせるべきだということだ。勇者の故郷は、そのことを推進していく必要がある」とつづっていた。(c)AFP