【5月28日 AFP】南太平洋の島国サモアは28日、中国との2国間協定に署名し、「これまで以上の協力」を約束した。中国の王毅(Wang Yi)外相は太平洋の島しょ国など8か国を歴訪しており、西側諸国の間で懸念を呼んでいる。

 詳細は明らかにされていないが、流出した協定案によると、中国は複数の太平洋諸国に対し、安全保障と経済面での協力を拡大する計画を提示している。

 西側諸国の指導者は当該の首脳に対し、安全保障の範囲拡大を試みる中国の提案に応じないよう要請している。

 サモア政府は、フィアメ・ナオミ・マタアファ(Fiame Naomi Mata'afa)首相が王外相と会談し、「気候変動と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)、平和と安全保障」について議論したと発表した。

 サモア政府によると、中国はサモアのさまざまな部門でインフラ開発の支援を続け、今後のプロジェクトについては「相互に合意する」新たな枠組みを用意する考えを表明。「サモアと中国はこれまで以上に協力を深め、共通の利益と相互の関与を実現する」としている。

 協定署名式には地元メディアも招かれたが、質問は認められなかった。

 王外相らはすでにソロモン諸島とキリバスを訪問済み。(c)AFP