【5月22日 AFP】男子テニスのキャスパー・ルード(Casper Ruud、ノルウェー)が21日、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)では世界ランキングのポイントが獲得できないという統括団体の決定について、グラス(芝)コートのスペシャリストにとって不公平だと話した。

 世界ランキング8位のルードはこの日、ジュネーブ・オープン(Gonet Geneva Open 2022)決勝に勝利して大会連覇を達成。前週のイタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2022)でもベスト4に入っており、得意のクレーコートで好調を維持して全仏オープン(French Open 2022)へ向かう。

 しかしルードは、グラスコートが苦手と自ら認めながらも、ウィンブルドンを四大大会(グランドスラム)で輝ける年に一度のチャンスと考える選手たちに同情している。

 ウィンブルドンは4月、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアとベラルーシの選手の出場を禁止することを発表したが、男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)は20日、対抗措置として大会にランキングポイントを付与しないことを決め、ウィンブルドンは豪華なエキシビション大会になり下がった。

 決勝でジョアン・ソウザ(Joao Sousa、ポルトガル)の気持ちのこもった挑戦を受けながらも勝利したルードは、報道陣に対して「スポーツに政治が関わるのは難しい」と話した。

「ウィンブルドンは、僕にとっては一番ポイントが稼げる大会ではないから、個人的にはポイントのことだけ考えるなら自分にはあまり関係ないが、他の選手にとってはポイントを取るチャンスすらないわけだし、もちろん不公平だ」

「みんな、どちらの側の状況も理解している。そもそも、ロシアとベラルーシの選手の出場を禁止するという決定が厳しい。何が正しくて、何が間違っているかを判断するのが難しい決定だ」 (c)AFP/Robin MILLARD