【5月22日 AFP】米大リーグ(MLB)、シカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)のトニー・ラルーサ(Tony La Russa)監督は21日、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のジョシュ・ドナルドソン(Josh Donaldson)三塁手がホワイトソックスのティム・アンダーソン(Tim Anderson)遊撃手に対して「人種差別的」な発言をしたとして非難した。

 白人のドナルドソンは同日行われた試合中にアフリカ系米国人のアンダーソンを「ジャッキー」と呼んだ。1947年に黒人初のMLB選手となったジャッキー・ロビンソン(Jackie Robinson)氏になぞらえたものとみられ、ドナルドソンも発言したこと自体は認めている。

 アンダーソンは試合後、「彼が失礼な発言をした」と明かし、「ざっくり言えば、自分のことをジャッキー・ロビンソンと呼んできた。『ジャッキー、元気?』と言われた」と説明。「敬意に欠けていたし、不適切だったと思う。不要な発言だった」と話した。

 ラルーサ監督はもう一歩踏み込んでドナルドソンの発言は「人種差別的」だと指摘。「それしか言うことはない」とし、「それほど強い発言だ」と非難した。

 一方でドナルドソンは人種差別を否定し、自身の発言はアンダーソンが2019年のインタビューで自らを「現代のジャッキー・ロビンソン」と形容したことから来たものだったと主張。「彼が侮辱的だと受け取ったことは確かだ。そうであれば謝罪する。そういう意図はまったくなかった」と語った。

 アンダーソンとドナルドソンをめぐっては、13日に行われた試合でも一触即発の状況があり、そのときはドナルドソンの荒いタッチにアンダーソンが反応し、ベンチ総出の騒ぎとなった。両チーム間の敵対心が高まる中、この日の試合でもアンダーソンとドナルドソンの一件があった後の5回、ホワイトソックスのヤスマニ・グランダル(Yasmani Grandal)捕手がドナルドソンに暴言を浴びせ、両軍ベンチが空になる一幕があった。(c)AFP