砲弾降り注ぐ前線、退避拒む市民も ウクライナ東部
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■「そううまくはいかない」
ウクライナ東部の前線で暮らす市民の中には、際限なく続く砲撃の中で戦争の終わりを待つという困難な道を選ぼうとしている人々がいる。
理由はさまざまだが、新たな生活を始めるための金銭的な問題や、住む家を永遠に失う不安を挙げる人が多い。ある男性は「避難して貯金を使い果たし、無一文で戻ってきた多くの人を見てきた」と話した。
アバクモワさんとのやりとりを終えたばかりのレフチェンコさんは、いずれの理由にも納得できない。「皆、事態を完全には理解していないのだと思う。われわれはこうした人々の元へ、砲撃を避け、やっとの思いで会いに行き、食料を配り、避難するよう説得しなければならない」と話した。
市内には地下通路や地下室が設けられた建物があり、数十人が身を隠して生活している。「ここにいる人々は全てうまくいくだろうと思っている。だが残念ながら、そううまくはいかない」と語気を強めた。
包囲された市内に残る住民に食料を配布しているボランティアによれば、人口10万人だったリシチャンスクでは、今も2万人以上が暮らしている。(c)AFP /Dmitry ZAKS