■教育格差

 オンラインニュースサイト「リドル・ラシャ(Riddle Russia)」に寄稿するパベル・ルージン(Pavel Luzin)氏はAFPに対し、「地上部隊の兵士や将校の大半は小さな町や村の出身だ。このことは社会経済、ひいては教育格差と関係がある」と指摘した。

「地上部隊の入隊条件は比較的低く、優秀で高学歴な兵士や幹部候補者は航空宇宙軍や空挺(くうてい)軍、海軍など他の軍に配属される」

 ダゲスタン共和国は、長年にわたるイスラム過激派との戦いで、ロシア最貧地域の一つとなっている。地元メディアやメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」は、国の弔問を受け悲しみに暮れる戦死者遺族の写真や映像であふれている。

 ブイナクスキー(Buynaksky)地区のトップ、カミル・イジイエフ(Kamil Iziiev)氏は今月6日、戦争で死亡したダゲスタン出身者5人の遺族に勲章を授与する様子を捉えた動画を自身のテレグラムに投稿した。勲章を授与された兵士の妻や母親はイスラム教徒とみられ、スカーフを身に着けていた。

 イジイエフ氏は遺族に「あなた方は、父親が勇敢にも命をささげた子どもたちの母親として生きなければならない」と呼びかけた。

 ルージン氏は、地方や少数民族の多い地域では明らかな反抗の兆候は見られないが、将来も何も反応がないとは限らないと指摘する。「表立った反抗ではなく、徴兵や入隊を避け始めるといった隠れたものになる」 (c)AFP/Stuart WILLIAMS