【5月17日 AFP】自転車トラックレースの元ニュージーランド代表選手を死に追いやった可能性がある「未解決のトラウマ」と、調査で指摘された高いパフォーマンスを求めるあしき文化について、国内の統括団体であるニュージーランド自転車協会(CNZ)が謝罪した。

 トラックレース女子の元五輪代表だったオリビア・ポドモア(Olivia Podmore)選手が、自殺の疑いで死去したことを受けて昨年8月に立ち上げられた第三者による調査では、国内で高いパフォーマンスを要求するシステムが全体的に広がり、アスリートと競技団体の間に存在する「身震いする」ような権力の不均衡に対処すべく、構造的な改革が必要であることが判明した。

 自転車競技のケースでは、高いパフォーマンスを示すためのプログラムにおいて「プロセスの前にメダル」を重んじる文化が存在し、アスリートの健康は無視されていたという。104ページにわたる報告書には、環境が性差別的でチームの選抜方法も不透明なものとなっており、支援システムなども全く構築されていなかったと記されていた。

 ポドモア選手は2016年のリオデジャネイロ五輪には出場したものの、昨年の東京五輪では代表の座を逃した。死の数時間前に投稿されたオンライン上のメッセージでは、高いパフォーマンスが要求される競技に伴う重圧がつづられていた。

 CNZのフィル・ホールデン(Phil Holden)会長は、報告書を読むのが難しかったと記者会見で話し、「この報告書でまず分かったのは、2016年から2018年の(サイクリストたちが受けた)未解決のトラウマに関してだ。それにはショックを受けた。明らかにオリビアはその中に含まれていた」と述べた。

 さらに「そのような経験をさせて申し訳ない。より良くするべきだったのに、われわれはそうしなかった。心の痛みと嘆きに対して謝罪する」とし、「まだ、影響を受けている他の皆さんにも謝罪する」と語った。(c)AFP