【5月15日 AFP】アフガニスタン北東部パンジシール渓谷(Panjshir Valley)で、イスラム主義組織タリバン(Taliban)の統治に抵抗する武装勢力「民族抵抗戦線(NRF)」が攻勢を開始し、多数の民間人が避難している。地元住民が14日、明らかにした。

 パンジシール渓谷は、1980年代の旧ソ連軍による侵攻への抵抗の地として知られ、90年代後半の第1次タリバン政権時代にも抵抗勢力の拠点となった要衝。

 当時抵抗勢力を率いた故アフマド・シャー・マスード(Ahmad Shah Massoud)司令官の息子がトップを務めるNRFも昨年8月、同地に立てこもってタリバン政権復活に最後まで抵抗した。

 NRFは先週、昨年8月以来初となるタリバンへの攻撃を開始したと発表。NRFとタリバンは共に、この数日で敵の戦闘員数十人を殺害したと主張している。

 数十世帯と一緒に避難してきたという男性は、AFPに「衣類は1、2点しか持ってこられなかった」「(複数の家族が)今は首都カブールで親族の元に身を寄せている」と語った。

 一方、パンジシールに展開するタリバンの精鋭部隊「バドリ(Badri)」のアブドルハミド・フラサニ(Abdul Hamid Khurasani)司令官は、戦闘は終わったとAFPに主張。NRFの戦闘員は「山へ逃げた」とし、「状況はすでに元通りで平和だ」と述べた。

 NRFは、北部を中心とした12州で反攻を続けていくとしている。(c)AFP