【5月15日 東方新報】中国でも5月初めはゴールンデンウイークがある。世界各地で労働者の祭典が行われる5月1日のメーデー(労働節)が休日に定められている。日本のゴールデンウイークはカレンダー次第で飛び石連休となるが、中国では祝日に近い土日の一部を出勤日とし、逆に祝日前後の平日を休みに振り返ることでひとかたまりの連休を作っている。今年は4月24日と5月7日を出勤日とすることで、4月30日から5月4日までを5連休とした。

 上海市の厳しい外出制限や北京市のユニバーサル・スタジオ・北京(Universal Studios BeijingUSB)の休園など、新型コロナウイルス感染拡大の影響で労働節連休中の観光収入は全国的には前年比で約40%減少した。そんな中、「密」を避けて自然を味わうことができる観光地は人気を集めた。特に、「中国十大名花」に数えられるツツジが見頃を迎えた地域がにぎわった。

 その代表が中国東部・安徽省(Anhui)の黄山(Huangshan)だ。昔から「黄山を見ずして、山を見たというなかれ」と言われる名山で、多くの文化人が黄山を訪れて水墨画や漢詩の題材にしている。観光客は、地平線まで雲に包まれる黄山の代名詞・雲海を見渡しながら、色とりどりに鮮やかな花を咲かせるツツジをたんのうしていた。コロナ禍で外出を控えている人のためインターネットで黄山の景色をライブ中継するサービスも行われ、自宅にいながら「オンライン観光」を楽しむ人もいた。

 中国南部・雲南省(Yunnan)の玉龍雪山も多くの観光客が訪れた。北半球で最も南に位置する氷河があり、一帯は中国最高レベル(5A級)の国定公園に指定されている。標高4506メートルの地点まで行けるケーブルカーから雪に覆われた山を見下ろすと、山間にツツジの花が点在している。

 真っ白な雪とピンクのツツジのコントラストに、観光客は「美しい水中のサンゴみたい」「この時期に、こんな景色を見られるなんて」と喜びの声を上げていた。

 中国西部・四川省(Sichuan)の峨眉山も観光客の姿が見られた。峨眉山は「植物の王国」と言われ、ツツジだけで30種類以上の花が咲き誇る。コロナ禍で遠出の旅行を避ける四川省の市民が「省内観光」で峨眉山を選んだという。

 黄山、玉龍雪山、峨眉山はいずれも世界遺産に指定されている。中国では「映える」景色と自分の姿を撮影してSNSに投稿することが競争のように流行しており、美しい山々とツツジのコラボは労働節連休の格好の撮影スポットとなっていた。(c)東方新報/AFPBB News