【5月16日 CNS】中国・安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)に住む63歳の賀慧(He Hui)さんは料理や部屋の掃除、散歩をする時はスマホのアプリから1冊の本を選び、「耳で読む」ことが習慣になっている。

 中国では5Gネットワークやスマートフォンの普及に伴い、娯楽や学習用の本を耳で聴く人が増え、両手や目を「解放」している。誰もがオーディオコンテンツの配信者になれる時代、オンラインのオーディオプラットフォームは書物以外にも多くのコンテンツを提供している。京劇や相声(漫才)、音声ドラマ、トークショー、経済金融から社会、文化、歴史まで、年齢や業種を超えて多くの人を魅了している。

 新経済データ分析機関の艾媒諮詢(iiMedia Research)によると、中国のオーディオユーザーは2021年に6億4000万人に達し、2022年には6億9000万人に達すると予想される。

 拡大する巨大市場でビジネスチャンスをつかもうと、声優や朗読家、オーディオ講師、コンサルタントなどの新しい職業が次々と出現。コンテンツのクリエーターは2021年で1500万人を超えた。多くのプラットフォームは新規クリエーターの参入をサポートし、質の高いコンテンツで収入が得られるよう指導している。

 企業情報データサイトの天眼査(Tianyancha)によると、中国には3万8000社近くの音声関連企業があり、そのうち2400社以上が2021年に新規登録された。業界関係者は「コロナ禍が始まって以降、オーディオコンテンツが人々の孤独感を和らげる役割を担っている」と解説する。

 一方で市場の拡大に伴い、高品質のコンテンツの不足が主要プラットフォームの間で顕著な問題となっており、多くのプラットフォームがコンテンツの改善や発掘に力を入れている。(c)CNS/JCM/AFPBB News