【5月8日 AFP】ウクライナ政府は7日、南東部マリウポリ(Mariupol)のアゾフスターリ(Azovstal)製鉄所から民間人の女性や子ども、高齢者全員が避難したと発表した。一方のロシアは第2次世界大戦(World War II)の対ナチス・ドイツ(Nazi)戦勝記念日を9日に控え、製鉄所に残るウクライナ兵に対する攻撃を強めるとみられる。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は演説で、製鉄所から数百人が避難したとし、次に負傷者と医療関係者を退避させる計画が進められていると明らかにした。

 ロシア国防省によると、戦勝記念日の軍事パレードでは航空機77機による儀礼飛行が行われる。核戦争の際に司令部として使われることから「終末の日の飛行機」と呼ばれるIl80も参加する。

 モスクワの赤の広場(Red Square)上空では戦闘機ミグ29(MiG29)8機が編隊飛行を行い、ウクライナに侵攻するロシア軍を象徴する「Z」の文字を描く予定。

 一方、ロシア側は核兵器の使用をちらつかせているが、米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ(Bill Burns)長官は7日、ロシアがウクライナに対し戦術核兵器を使用する準備をしている証拠は見られないと語った。

 長官はただ、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はウクライナで敗北する事態を想定しておらず、攻撃を「強化」するだろうと警告した。(c)AFP/Joshua Melvin, with David Stout in Kyiv