【5月7日 AFP】フランスのデータ分析会社ケイロス(Kayrros)は6日、ウクライナの今年の小麦生産量について、ロシアによる侵攻の影響で前年比で35%以上減少する見通しだと発表した。

 ウクライナは小麦の主要生産国・輸出国だが、侵攻の影響で農機用の燃料が不足し、砲撃や不発弾に対処しながら作業しなくてはならないため、すでに作付けに支障が出ている。

 米航空宇宙局(NASA)が4月14~22日に撮影した画像に基づくケイロスの最新の分析によれば、ウクライナの小麦生産量は現段階で2100万トンと見込まれている。昨年比1200万トン減、過去5年間の平均と比べて23%減となる。

 ケイロスは「戦闘が今も続き、紛争が最も激しいウクライナ東部が小麦の主要産地であることから、実際の生産量は現在の作付け状況からの予測よりも低くなる可能性が高い」としている。

 ウクライナで小麦の栽培・収穫が無事に行われたとしても、ロシア軍が輸送インフラを破壊し、ウクライナ産穀物の大半の輸出に利用されていたオデーサ(Odessa)港を封鎖しているため、輸出は困難とみられている。

 ロシアに侵攻される前、ウクライナは世界の小麦輸出量の約12%を占めていた。そのため紛争の影響で食料品価格が高騰している。(c)AFP