【4月8日 AFP】国連食糧農業機関(FAO)は8日、ロシアによるウクライナ侵攻が穀物や植物油の市場に「衝撃」を与え、先月の世界食料価格指数が過去最高を記録したと発表した。

 2月24日以降、ロシア軍のウクライナ侵攻とそれに伴う国際的な対ロシア制裁によって輸出が阻害されたことで、世界的な飢餓の危機に対する懸念が発生。特に中東とアフリカではその影響がすでに表れ始めている。

 ロシアとウクライナは広大な穀倉地帯を有し、小麦、植物油、トウモロコシなどの主要産品の輸出で世界でも大きな割合を占めている。FAOによると、過去3年間の両国を合わせた小麦とトウモロコシの輸出量は、それぞれ世界全体の約30%と20%に上っていた。

 FAOは、先月の世界食料価格指数が12.6%上昇して159.3ポイントになり、「1990年の統計開始以来、過去最高値を更新する高騰」を記録したと発表。植物油、穀物、肉の価格が過去最高を更新したほか、砂糖と乳製品の価格も大幅に上昇したとしている。

 ウクライナでは作付けの季節を迎えているが、戦争状態は依然続いている。(c)AFP