【4月30日 AFP】北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は30日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)総書記が、敵対勢力に対抗するための核兵器の「先制」使用の可能性があると改めて警告したと伝えた。

 KCNAによると、金氏は朝鮮人民軍幹部に対し、同軍の「絶対的優位性を維持する」ために必要であれば、「すべての危険な試みや威嚇的な動き」を「先制的かつ徹底的」に封じ込めることができなければならないと語った。

 さらに「世界のどの勢力も挑発できない圧倒的な軍事力」を持つために軍備増強を継続すべきであり、軍備増強こそが「わが国の安全を保証する生命線」だと主張した。

 金氏は26日に行われた軍事パレードの演説でも、北朝鮮の「基本的利益」が脅かされた場合、核兵器の使用もあり得ると述べていた。

 こうした金氏の警告についてアナリストは、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)次期大統領率いる新政権との対話に前向きでないことの表れとみている。韓国・梨花女子大学(Ewha Womans University)のレイフエリック・イーズリー(Leif-Eric Easley)教授は「金氏の発言は、韓国の尹次期政権と関わる気も、米国との非核化協議を再開する気もないことを示している」と述べた。(c)AFP