【4月28日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は27日、ロシアの侵攻開始からの2か月間で、国外に逃れたウクライナ人は531万7219人に上ると発表した。直近24時間だけでも5万2452人が国外に避難した。

 ウクライナからの難民流出は3月以降、鈍化している。だがUNHCRは、年末までにさらに300万人が難民となる恐れがあると予測している。

 ノルウェー難民問題評議会(NRC)のヤン・エーゲラン(Jan Egeland)事務局長は、国内避難民770万人を含めると、侵攻開始から8週間で1200万人以上が家を追われたと指摘した。

 エーゲラン氏は「第2次世界大戦(World War II)以来と言う人もいるが、第2次大戦中のいつ、8週間で1200万人が家を追われたのか教えてほしい」と記者団に問いかけ、第2次大戦時の大勢の避難民は「もっと長い期間にわたって」発生したと説明した。

 国際移住機関(IOM)によると、侵攻開始以来、ウクライナ人だけでなく、留学生や出稼ぎ労働者などの外国人22万4975人もウクライナから近隣諸国に脱出した。

 徴兵対象である18~60歳の男性は出国できないため、ウクライナ難民の9割は女性と子どもだ。ウクライナの子どもの約3分の2が避難を余儀なくされている。

 侵攻以前、ロシアに併合されたクリミア(Crimea)半島と東部の親ロシア派武装勢力支配地域を除くウクライナの人口は3700万人だった。

 国外脱出が続く中、多くのウクライナ人が帰国している。UNHCRによると、ウクライナ国境警備隊は2月28日~4月26日、120万9500人の帰国を確認した。

 ただし、UNHCRは「この数字は出入国を表したもので流動的だ。ウクライナ全土の状況は依然として非常に不安定で予測不可能であることから、必ずしも持続的な帰国を示すものではない」と強調した。(c)AFP/Nina LARSON