【4月28日 AFP】27日に行われた22MLBのセントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)対ニューヨーク・メッツ(New York Mets)戦で、死球を引き金としたベンチ総出の乱闘騒ぎがあった。

 乱闘が起きたのは8回裏の場面で、内角高めに投げたメッツのヨアン・ロペス(Yoan Lopez)投手に対し、打席のカージナルスのノーラン・アレナド(Nolan Arenado)が激高。これをきっかけに両チームの選手がベンチを飛び出し、さらには外野フェンス奥のブルペンにいた投手陣も乱闘に加わった。

 この騒ぎでアレナドとカージナルスのスタッビー・クラップ(Stubby Clapp)一塁コーチが退場となった。

 8回表にはメッツのJ.D.デービス(J.D. Davis)が左足に死球を受けて途中交代しており、これが乱闘の伏線となった。メッツは前日の試合でも3人が死球を受けるなど、このシリーズだけで計6個の死球を当てられており、数日間かけて緊張が高まっていた。メッツが乱闘に関わるのはシーズン開幕3週間で今回が2回目となる。

 死球が増えている状況について、メッツのクリス・バシット(Chris Bassitt)投手は試合前、今季使用されている「今までと異なる」ボールが問題だと指摘し、リーグ側が選手を危険にさらしていると話していた。

 26日のカージナルス戦に先発し、自身も死球を与えていたバシットは「自分たちは信じられないほどの数を頭部に当てられている」とした上で、「今夜は自分も危ない場面があった。顔面にボールが当たった経験があるが、誰にもそんなことをしたくない。でもMLBはボールにとても大きな問題を抱えている。ひどい代物だ。みんな知っている。投手全員が知っている。粗悪品だ」と主張した。

 また、メッツのバック・ショーウォルター(Buck Showalter)監督は、昨シーズンに投手の粘着物質使用を取り締まったMLBに対し、ボールを滑りづらくする「共通の物質」を承認してはどうかと提案している。(c)AFP