【4月23日 AFP】ウクライナ南部のオデーサ(Odessa)から、西部リビウ(Lviv)に避難しているパン職人のオレナさん(50)。ゆで卵を殻ごと青インクに浸す前に、針にろうを付け「ウクライナに栄光あれ」と書いた。このイースター(Easter、復活祭)エッグは「前線の兵士たちに送られます」と説明した。

 2月24日のロシアによるウクライナ侵攻開始以来、数万人が身を寄せているリビウ。ジョージア料理店に女性と子どもたちが集まり、ウクライナ国旗の色である黄色と青のイースタ―エッグと伝統のイースター向けのパンを作っていた。

 2日間で焼いたパンは290個。従軍司祭を介し、戦闘の前線となっているウクライナ東部にいる兵士たちに配られる。

 ラッピングされたパンには、ボランティアたちの手書きのメッセージが添えられている。ロシア国境に近いウクライナ第2の都市ハルキウ(Kharkiv)から逃げて来たという女性は、「私たちはあなたを誇りに思います」と書いた。「あなた方は最高。ウクライナ軍は勝利する」と励ましの言葉を書く人もいた。

 同じく東部のドネツク(Donetsk)から避難中の法学生、アナスタシア・ロズコワ(Anastasia Rozhkova)さん(20)は、メッセージはすぐに思い浮かんだと言う。「座って一気にメッセージを15個書きました。(受け取る兵士が)目の前にいたら何を伝えたいのか想像して書いたからです」

 クリミア(Crimea)半島がロシアに併合された2014年以来、避難を強いられたのは2回目だと話し、「本当に心を込めて書きました」と語った。(c)AFP/Alice Hackman