【4月20日 AFP】台湾テレビ局の中華電視公司(CTS)は20日、中国が台湾への攻撃を開始したとする誤った速報を立て続けに放送し、「市民のパニックを引き起こした」として陳謝した。

 CTSは同日、「新北(New Taipei)市が共産党軍の誘導ミサイルによる攻撃を受けた」「台北(Taipei)港で複数の大型船が爆発、施設や船舶が損壊した」といった速報を画面に掲示した。

 これ以外にも「中国が戦争準備を重ね、総統が緊急命令を発出」「戦争が勃発する恐れ、新北市が合同緊急司令部を開設」などの速報が表示された。

 これについてCTSは、新北市消防当局の委託で用意された防災訓練用の警報を、職員が誤って放送したと説明。複数のチャンネル上で訂正と謝罪を行った上で、内部調査を実施し責任者を「厳しく処分する」と表明した。

 台湾では、ロシアによるウクライナ侵攻で、中国も同様に台湾併合を実行に移すのではないかとの懸念が強まっており、不安をあおる誤報となった。ただ、インターネット上では怒りや冷笑が広がったものの、台北市内で大規模なパニックが発生した様子はなかった。(c)AFP