【2月16日 AFP】米太平洋空軍司令官のケネス・ウィルズバック(Kenneth Wilsbach)空軍大将は16日、中国が緊迫するウクライナ情勢に乗じて、アジア地域で何らかの「挑発的」な行動に出る可能性があるとの見方を示した。

 ウィルズバック司令官は、航空ショーが開催されている訪問先のシンガポールで記者団に対し、「(この機会を中国が)生かしたいと考えているのではないかとの懸念を抱いている。彼ら(中国)が挑発的な何かを試みようとし、国際社会がどう反応するのか見ようとしても、驚くには当たらない」と語った。

 司令官は、中国はウクライナ危機をめぐってロシアと歩調を合わせており、アジアにおける中国の意図について疑念が生じていると指摘した。

 中国は、台湾のほか、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムの東南アジア4か国の領有権と重なる南シナ海(South China Sea)のほぼ全域の領有権を主張している。米国や他の西側諸国は、戦略的に重要な航路の航行の自由が侵害されるのではないかと懸念している。

 ここ数か月、中国は台湾に対する圧力も強めており、中国軍戦闘機がたびたび台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入している。(c)AFP