■「拷問」

 同じくテキサス州では、1991年にヒューストン(Houston)の警察官を殺害したカール・ウェイン・バンチェン(Carl Wayne Buntion)死刑囚(78)に対しても、21日に薬物注射による刑執行が予定されている。

 バンチェン死刑囚は、テキサス州で死刑執行を待つ受刑者の中で最高齢。弁護団は、犯行から30年以上が経過した今になって刑を執行するのは「残酷で異常な刑罰」に当たると主張している。

 またテキサス州法では、バンチェン死刑囚が「処刑されなかった場合、他者に危害を加える可能性が高い」という事実の立証が求められるが、老衰した同死刑囚は誰の脅威にもならないと、弁護団は訴えている。

 さらに同死刑囚は過去20年間、1日23時間独房に収監されてきた。同州内の死刑囚に絡む問題を扱う非営利団体「テキサス・ディフェンダー・サービス(Texas Defender Service)」の代表はAFPに対し、「誰かが死刑を宣告される時、陪審は30、40、50年の独房生活の後に死刑に処することに同意しているわけではない」と述べ、「それは拷問だ」と指摘した。

 テキサス州では1976年以降、他のどの州よりもはるかに多い573件の死刑が執行されている。次に多いのは昨年死刑を廃止したバージニア州で、113件となっている。 (c)AFP/Francois Picard with Chris Lefkow in Washington