【4月15日 AFP】米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ(William Burns)長官は14日、ロシアのウクライナ侵攻が苦戦を余儀なくされているのを受け、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は核兵器の限定使用に踏み切る可能性があるとの認識を示した。

 バーンズ氏はジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)で講演し、「プーチン大統領とロシア指導部が自暴自棄になる可能性、さらにこれまでの戦局の停滞を踏まえると、戦術核もしくは低出力核兵器を使用する恐れがあることを軽視できない」と述べた。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は2月24日の侵攻開始直後、核抑止力部隊を厳戒態勢に移行するよう命じた。しかし、バーンズ氏によると、実際に配備されたことを示す「具体的な証拠」は確認されていない。

 駐ロシア大使を務めたことがあるバーンズ氏は「われわれが憂慮しているのは言うまでもない。私は(ジョー・)バイデン(Joe Biden)大統領が、第3次世界大戦を回避すべく、また核戦争につながるぎりぎりの線にまで到達しないよう熟慮していることを知っている」と語った。(c)AFP